月一のミュージカル鑑賞を掲げている我が家。
今月は夫の気まぐれで、「(2度目の鑑賞となる)マンマ・ミーア」に続き、「Billy Elliot」を観にいくことになっています。

なんでも、Billy Elliotは夫が以前映画を観たことがあるらしく 、その映画が好きなんだとか。

わたしはというと、ロンドンでよくミュージカルのポスターは目にしていたものの、ストーリー自体は全く知らないので、予習のために本日ネットで映画を見てみました。

Billy-Elliot
観たことがない方も、このポスターには馴染みがあるはず…
映画の邦題は「リトル・ダンサー」だそうです。 


事前のストーリー情報では、
1984年のイギリス北部の炭坑町を舞台に1人の少年が、当時女性のためのものとされていたバレエに夢中になり、性差を超えてプロのバレエ・ダンサーを目指す過程を描いた作品Wikipediaより)

とのことだったので、てっきりよくある夢追い物語系の青春ドラマかなぁと軽く見始めたら…
実は深かった。。


内容の詳細は省きますが、
サッチャー政権下で、いくつもの炭鉱が閉鎖され、失業者が溢れたという話はうっすらとどこかで聞き覚えがあったけど、このストーリーの舞台はまさにその炭鉱町。


閉鎖に反対しストライキ中の町の雰囲気、目の前に迫る失業と貧困炭鉱労働者のプライド
踊るBillyからは、葛藤不安やるせなさ。でも踊りたいという強い思いがどんどん伝わってくる。
そしてストライキに参加する父親の、息子への愛情と息子を応援してあげたい気持ち葛藤…。

もう、いろんな人の色んな感情が終始テンポよく、軽快な音楽とリズムとともにぶわっと溢れ出てくる感じ。
2~3回号泣シーンありの、とっても見ごたえのある映画でした。


そしてこの映画を観終わった直後に偶然知った、「Brassed Off(邦題:ブラス!)」という映画。
こちらもお勧めとのことで立て続けに視聴。

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1996年公開のイギリス映画

こちらのストーリーもWikipedia様にお借りすると、

閉鎖騒動の持ちあがる小さな炭鉱の町を舞台に、ブラスバンドを通じて、「音楽」と「生きること」の素晴らしさ、人間模様と社会風刺を上手に織り交ぜて描いた作品。


とありますが、
Billy Elliotで描かれている炭鉱の様子よりも、もっと深刻な当時の様子が伝わってきます。
観る順番としては、BillyからBrassedがお勧めとありましたが、同感です。)

炭鉱閉鎖と引き換えに、多額の退職金と補助金を提示され揺れる炭鉱労働者、と町の人。
本音と建前、 病気、借金、家の差し押さえ、家族の別居、自殺未遂…

描かれていることはとってもシリアスなのに、この映画のテーマでもあるブラスバンドミュージックが、軽快にストーリーを進めていってくれ、ところどころにくすっと笑ってしまう場面も入っているので、決して重くなりすぎず気持ちよく見続けられます。

こちらの映画、炭鉱労働者で結成されたブラスバンドが、地区大会を勝ち上がり、全国大会での優勝を狙うというストーリーなのですが、思わず終盤の全国大会決勝戦では演奏に合わせて自然と体が揺れ、心の底から応援してしまいました。


終盤にはどっぷり入りこんでしまったこちらの映画ですが、この映画で印象に残っている台詞を少しだけ。
(ちょっとネタばれします。すいません。)

家と家族をなくし、そして尊敬する父が死の淵にいる絶望の状態で発した、息子の言葉。
神が何をした?ジョンレノンを殺し、エンズリー抗で3人殺した。今度はパパの番だ。サッチャーはピンピンしてるのに。

そしてもうひとつ。

このブラスバンドを長年引っ張り続け、全国大会優勝が悲願だった指揮者(前述の父親)が、その決勝大会後に発した言葉。
10年前から政府は意図的に炭鉱をつぶしてきました。炭鉱だけでなく、村や家や人生を進歩の名の下につぶした。(中略)我々には一握りの希望も残っていない。」 



ふたつの映画を観終わった今、記憶によみがえるのは去年4月のマーガレット・サッチャー葬儀の様子。

葬儀の日は、たまたま渡英前の家探しに1週間ほどロンドンに滞在していたので、軽い見物気分でただセントポール大聖堂前の沿道の人ごみの中にいました。

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沿道の様子
ちなみにこのとき、テロでも起きたらどうしようと内心少し心配していたことを思い出します。

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衛兵の後は騎馬隊、音楽隊と続きました。
これ以上はないといったロンドンの風景に出会えた1日でした。


いつも絶えず騒がしいあのロンドンの中心部が、信じられないほど静まり返り、鳴り響く鐘の音…。
沿道は見たこともない人の量で埋め尽くされているのに。
あの静けさがいかに異様であったかということが、数カ月ロンドンで暮らした今ならよくわかります。

セレモニー後、寺院前の沿道から離れるに従い、サッチャー批判の声や看板、ちょっとした騒ぎを目にしましたが(その様子はBBCでもたくさん流れてました)、その時

国葬級の葬儀が執り行われるほどの人物なのに、なぜ国民の評価がこうも二分しているのか…。
マーガレット・サッチャーとはイギリス国民にとって一体どんな存在だったんだろう…


と、初めて疑問に思ったことを思い出します。

今なら、あの時の自分よりは少し、当時の町の微妙な雰囲気、人々の反応の意味が理解できる気がする。

まだまだ勉強不足で、よくある「サッチャーは善か?悪か?」といった類の質問には答えられないけど、こうやって少しずつイギリスのことを勉強していけたらいいな~と思いました。

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何はともあれ、Billy Elliotのミュージカルが楽しみ!


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